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安心して働けるため法律を守ってもらう。環境を整備することで、経営者と従業員との絆は自然と深まっていくんです。

「人によって企業は良くも悪くも変わる。たとえ1人であっても」

相談実績1万件以上の実績を持つ竹内氏。本来あるべき企業の姿を模索し、顧客と深く関わり改善を重ねることを信念とする社会保険労務士という仕事について詳しく話しを伺いました。

 

上司の言葉

 

――もともと、人事労務の仕事に対して興味があったのですか?

 

いえ、ずっと会計の勉強をしていたので、大学卒業後は経理の仕事に就きたくて、経理の求人のあった企業に面接に行ったんです。

 

すると、当時面接をしてくれた人事部長が「経理ではなく、人事に来ないか」と(笑)

 

「人が企業を変える」その人事部長が私に言った言葉です。その言葉に感銘を受けて人事部の仕事に就きました。

 

今でも私の胸に深く刺さっていますね。

 

入社してわかったこと

 

人事部ではまずは人材採用の仕事からでした。でも、私の思っていた採用活動のイメージとは程遠く、まるで営業の仕事でした。

 

名もない中小企業では良い人材を採用することが、いかに大変なことか・・・実感しましたね。

 

ここでは常に結果を求められました。どんな人材をどれだけ採用し、どうなったかって。いつも結果を問われてましたね。

 

一番大変だったのは、とにかく一人でも良い人材を採用するためにはまずは一人でも多くセミナーに集めること。

 

そのために一日に数百件の電話をすることも珍しくなくて・・・きつかったですね。

 

また良い人材は他社と競合して取り合いになりますから、こちらに入社してもらいたくて、場所がどこだろうと、何時だろうと、とにかく会いに行きましたね。

 

もちろん採用活動にはとても大きな費用がかかっていましたので、プレッシャーもありました。

 

結局その会社には10年近く在籍し、最終的には西日本地区の責任者もさせて頂き、その傍ら、在職中に社労士の資格を取ったんです。

 

――なぜ転職したのですか?

 

その後はここではもう学ぶものはあまりないな・・・って思い始めたんですね。そんな時にある会社が、IPO(株式公開)をしたいから、総務担当として働いてみないか?って。

 

そんなお話を頂いたんですね。面白そうでししたし、スキルアップのため転職しました。

 

そこでは本当にいろんなことを勉強させてもらいました。中小企業では特に気にも留める必要もなかったことも全てルール化し、そのルール通りに運用していくことが求められましたね。

 

周りはエリートばかり・・・

 

その会社での仕事はとてもやりがいはあったんですが、他方実感したのは私自身のスキル不足でしたね。

 

人事労務に関しては自信があったんですが・・・同じ管理部門の仕事でも業種が違えば、またIPOも絡んでくるとなれば、得意な労働法や会計学に限らず、いろんな分野の法的な知識とか、IT関連の知識とか、とにかくいろいろ求められました。

 

次から次へとわからないことが出てきて、毎日壁にぶつかって、勉強することがとても多く大変でした。

 

でもとても刺激のある充実した日々でしたね。

 

ですから、その時は誰よりも早く出社し、誰よりも遅く帰ってましたよ。じゃないと申し訳ないって・・・少しでも会社の足を引っ張らないようにって、そう思っていました(笑)

 

結果的には業績が傾き上場は叶いませんでしたが、この会社での仕事は私の人生においてとても良い経験になりましたね。

 

「人が企業を変える」実践

 

その後、また人に関する仕事をしたいと思って、今度は人材紹介会社に転職しました。

 

「人が企業を変える」 ということを、自分の手で実践してみたかったんですね。

 

その人材紹介会社もなかなかハードな会社でした。月の半分は全国を飛び回る仕事でしたよ。

 

この仕事をしてみてわかったことは、本当に良い人材というのはなかなか表に出てこないという事でした。

 

それはそうですよね。良い人材は良い会社に勤めているから転職しようとはなかなか思わないですし・・・。

 

つまり本当に凄い人っていうのは簡単には(転職)市場には出てこないわけです。仮にうまく見つかって条件が合ったからといっても、すぐに転職というわけにはいかないことも多々あって。

 

その為きちんと時間をかけて企業との架け橋のような関係を築いていく必要もある。そんな仕事でしたね。

 

――具体的にどのように人材紹介の仕事をしていたんですか?

 

思った以上にアナログでした。求人サイトの登録者を見て連絡すれば勝手に向こうから来てくれる程度に思っていたのですが。

 

とにかく電話して、アポイントを取って、人に会い続けるといった具合でしたね。

 

私はこの仕事を通じて「人が企業を変える」ということを実践したかったのですが、正直よくわからなかったですね。

 

確かに実際に人を送り込む仕事なので、企業が変わるキッカケにはなってるかもしれませんが、その後企業がどう変わったかまでは見えてこずもどかしかったですね。

 

ですから、次第にもっと企業に深くかかわっていきたいって、そう思うようになっていきました。その企業の成長の過程を共有したいというか。

 

よって開業を決意するに至ったわけです。私自身が企業の顧問として直接かかわるようになれば、もっと本質的な部分の一端を担えるのではないかって、そう思ったんですね。

 

――社会保険労務士として開業してみてどうでしたか?

 

まずは開業前にご縁のあった労働局(労働基準監督署)で勤務をしました。そこでは毎日経営者や労働者への法律説明や労働相談に追われました。

 

ですので、実際の生のトラブルの事案等たくさん知ることが出来ましたね。事案ごとに判例はどうなっているのか。法的な根拠は何か。今後どのように展開し決着するのか。そもそもなぜ問題が起こったのか。といった感じで勉強をしていきました。

 

すると、企業の体制や労働者がこういう場合は、こういう問題が起こり、結果的にこうなる。だからこうしておかないといけない。といった感じで予測が出来るようになっていったんですね。

 

つまり経営者と労働者の双方の置かれている立場や気持ちを理解できるようになって、その防止策とか、解決策とかが見えるようになって、非常に良い勉強になりましたね。

 

――どうすれば会社は良くなりますか?

 

人によって企業は変わります。良くも悪くも。じゃあ、良い人材が入ったら企業がすぐに良くなるのかというと、そう簡単はものでもないです。

 

ポテンシャルの高い人が入社しても、企業に影響を与える力や発揮できる権限がなければ、なかなか難しいと思いますし・・・そこがブラック企業だと、その会社に染まってしまうか、潰れてしまうか、退職(転職)してしまうか・・・ですね。

 

そういう意味では人が企業を変えるというよりも、環境が人を変えていってしまうんですね。

 

「人」のためにも環境を変えないといけない

 

 

環境は人を育てます。つまり人材育成には、まずは環境を適正なものに変えないといけないと思うんです。

 

ですから、まずは従業員に安心して働いてもらうことが出来るように法律を守ってもらう。

 

環境を整備することから、経営者と従業員との絆は自然と深まっていくんですね。

 

でもルールを守ってねと言っても、中小企業はいろんな問題を抱えているので、なかなか一筋縄ではいきません。

 

ですので、優先順位をつけて少しずつ変えていく。プロセスを意識して目指すべき会社の姿を思い描いてもらうようにしていくことを心がけていますね。

 

人材育成について

 

確かに(人材が)すぐ辞めてなかなか定着しないとか、育たないといった相談もとてもよく伺いますね。それにはそれなりの理由があるかと思います・・・。

 

まず経営者の皆さんには、従業員の給与等の経済面、労働環境や人間関係とか心身の状況等健康面、スキルアップや社会貢献等のやりがいの面等について考えて頂きたいところですね。

 

もちろん中小企業は大企業と異なり経済的なものとかいろんな問題があって、条件を良く出来ないとは言われる方は多いです。

 

しかしどんな厳しい環境下であっても、変な言い方になりますが、従業員が辞めたくない理由というか、企業の魅力を少しでも作れないですかって、そう思うんですね。

 

従業員は、感情を持ってる「人」だということを、まずは経営者の皆さんが理解することが大事だと思うんです。

 

――職業柄たくさんの企業を見てきたと思うのですが、近年の起業ブームについてどう考えてますか?

 

良いと思います。人生一度きりなんで、起業したいなら起業すればって。私自身はこう見えてけっこう慎重な性格なんですが、振り返って思うことは、もう5年早く開業しても良かったかなと。

 

人生はあっという間じゃないですか。30歳の時に楽しかったものが、今同じように楽しいとは思わない。

 

ですから若かったり、リスクの少ないうちに出来るだけ早く起業した方がいいのでは。

 

ある程度知識を得たら積極的に起業してもいいのでは。って、そう思いますね。

 

 

 

 

編集後記

 

竹内氏から出てくる言葉は「人、人、人」社会保険労務士という仕事柄というわけではなく、竹内氏自身の確固たる信念を感じた。「環境が人を変える」であるならば、経営者は会社の発展の為にも目指すべき会社の姿を思い描きながら、働く環境を整えて社会に貢献していく必要がある。人材を探す前に環境を整える必要があるのは言うまでもないと感じた。

 

 

取材 /  森田 総明

写真 / 細川 俊介

文 / 濱中 圭介


竹内 伸也

社会保険労務士法人プライムパートナーズ
代表社員
特定社会保険労務士
業務内容
社会保険労務士事務所、人事労務コンサルティング

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