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「伸縮定規」でいたいんです。固執せず、誰にでも合わせていけるような「伸縮定規を持つフロンティア」でありたい。

「誰にでも合わせていけるような『伸縮定規を持つフロンティア』でありたいんです」。自身の経験を振り返り、そう語ってくれたのは森田ちかこさん。事業としてだけではなく、地域の活性や、そこに暮らす人々の繋がりを大切にしたいと語る彼女の思いを詳しく伺いました。

 

誕生

 

――まず、この事業に携わろうと思われたキッカケを教えてください

 

もともとは、ずっとサービス業だったんですけど、結婚を機に退職しまして家業を手伝うことになりました。

 

電動工具のプロショップをやっているんですけど、働いてみて感じたのが、いろんな職人さんがいるっていうことだったんですよ。

 

職人さんって腕はあるけど口下手で、営業が苦手な方が多いんですよね。それがすごくもったいないなと思って。

 

一方で、一般の消費者の方と接する機会もあるんですが、話を聞いていると、職人さんのことをあまり知らないのに「値段が高い」とか、価格だけで判断する方が多かったんですよ。

 

それってお互いにすごく残念なことじゃないですか。だからまず、消費者を育てようと思ったんですよね。

 

そして私が両者を繋げることで、いい関係性が生まれていくんじゃないかなと。

 

――「消費者を育てる」っていうのは面白い発想ですね。

 

ええ、そうすることで、職人さんの価値も認めてもらえるし、消費者の方も質の高いサービスを受けられる。

 

そして、それがコミュニティーを作り出すことにもなる。いいサイクルができるなと思ったんですよ。

 

もちろん、むやみやたらと繋ぐわけではなく、それぞれの性格を見てこの人だったらこの人がいいかなとかを考えて。

 

この輪を大きくしていけば、もっと大きいコミュニティーになると感じたんですよ。

 

――具体的にはどのようにコミュニティー作りを始めたんですか?

 

まず、最初は木工スペースをつくって、木工サークルをやっていたんです。でも、あまり広がりがないんですよね。

 

なぜかというと、工作の体験だけをして参加者が仲良くなる時間がほとんどなかったんですよ。

 

じゃあ、どうすればもっと仲良くなれるのかっていうと、一緒にご飯を食べることなんですね。だからキッチンスペースを作ったんです。

 

そこでもっとたくさんの人数でイベントをすれば、今より大勢の人達を繋げられると思ったんです。

 

でも、木工サークルの後に食事をするのでは、結局工作が好きな人しか集まらないですよね。

 

そこで、北摂ですごく盛り上がっているスタートアップ、起業女子、そういう方たちと一緒に何かできないかなと。

 

今「起業」というキーワードを使って講座をしているのは、自営業の少し先輩として、伝えられることがたくさんあると思ったからなんです。

 

北摂インキュベーションセンターの特徴

 

コワーキングスペースやシェアオフィスをやっているところは、それ自体を事業にしたいと思って始めるところが多いと思うんです。

 

ここは、消費者と職人を繋げるというところから始まって、気がついたらインキュベーションセンターになっていったという背景があるんです。

 

木工スペースをしている時から核は変わっていないんです。違うことをやっているという感じではないんですよね。

 

利用者の声から生まれる講座

 

――利用される方達からは、どういった声が多いんでしょうか?

 

皆さん学習意欲がとても高くて、学んだことを持ち帰って自分のコミュニティーでもやりたいって言ってくださるんですよ。

 

そして、そこで新しいものをインプットしてきて「次はこの講座やりませんか?」というような声になって返ってくるんです。

 

そうやって新しいものがどんどん生まれていくんですよ。

 

――自分の声が反映されるのはうれしいですね

 

そうですね。そういう方は、学びの意欲があるし、自分のブランディングを真剣に考えているんですけど、まだ求めているものに出会えていないという部分もあります。

 

当然、私のところに来たからといって、すべてが解決するわけではないんですけど、私が出来ないことだったとしても、専門家の方に繋げていくことが出来るのが強みですね。

 

ゴールの設定

 

――受講者の方はそれぞれのステージがあるので、スタート時期が違うと思うんですけど、講座にゴールは設定されているんですか?

 

ゴールの設定は難しいですけれど、例えば専門家が必要になるレベルになったり、その人たちの活躍のステージが変わる時がゴール。

 

もっとわかりやすく言うと、自分でイベントができて、そこに集客できるようになったらゴールなのかもしれないですね。

 

――講師の経験もあるとお聞きしていますが、専門分野は何だったんですか?

 

旅行の専門学校ですね。そこで講師として勤務していました。仕事が旅行会社だったので。本当は広報の仕事がしたかったんですけど、枠に空きがなかったらしくて。

 

「講師って何するんですか?」と聞いたら、担任を持って、入学してきた生徒達が就職するまでのお手伝いと言われました。

 

授業をするのはもちろんですけど、就職相談なんかもするんですね。受け答えや面接の練習とかも担任の業務なので。

 

そのスーツの着方はあかん!とか(笑)それをやっていた経験は、今もすごく活かされていると思います。

 

――次のマーケティング会社でもスタッフの育成をしていたんですよね?

 

はい、そうですね。講師の時にものすごく勉強したおかげで、研修マニュアルの作成とか人材育成が全く苦じゃなくなったんですよ。

 

旅行会社にいた時は、いろんな業種の方が出入りしていたので、業界問わず会社の名前は頭に入っていたんです。

 

テレマーケティング会社に行ったら、聞いたことある会社ばかりでした。どうやったらこの商品が売れるのかということに頭が切り替わっていきました。

 

講師の時は生徒の良いところをいかに引き出して、導いてあげるかっていう部分。今度はどうやったらこの商品の認知度が上がるのかという部分。

 

人と物、両方の観点から物事を考えられるようになりました。そのおかげで今の自分があると思います。

 

「まいど!」でええねん!

 

――今まで経験した仕事の中で一番しんどかったのはいつ、どんなところですか?

 

ずっとサービス業でやってきたので、物販に変わった時ですね。それまでの常識がほとんど通じなかったんです。

 

今までは、「失礼ですが」「申し訳ございませんでした」「おはようございます」って言うのが常識だったんですけど、「いらっしゃいませ」なんかいらん。

 

「まいど」でええねん。って言われて、自分の中の常識が崩れていきました(笑)

 

電話での挨拶も、コールセンターみたいな感じは一切無くて、自分は名乗らないのが普通なんですよね。

 

そういう自分の中の常識を崩して、再構築していくことがしんどかったですね。

 

ただ、それにもちゃんと理由があって、職人さんは忙しいから、商品の在庫、納期に間に合うだとか、配送がいつになるかとか、そういうことの方が重要なんですよね。

 

そう考えたら確かに名前なんか後でもいい。それがわかったらすごく楽になりました。時間かかりましたけど(笑)

 

伸縮定規を持つフロンティア

 

 

――森田さんが仕事をする上での信念はなんですか?

 

大それたことは何もないんですけど、「伸縮定規」でいたいんです。固執せず、誰にでも合わせていけるような「伸縮定規を持つフロンティア」でありたい。

 

自分の価値観を崩され、長いものを短くされた経験があるからですね(笑)

 

――インキュベーションセンターの今後の展開をお聞かせください。

 

「インキュベーションセンター」という名前は、人の熱で生まれていくっていう思いが込められているんです。

 

ですので、もっと対象を広げて参加した方達みんなが活躍できる、地域を巻き込んで盛り上がっていけるようなセンターになりたいですね。

 

時代というのはどう変化していくかわからないので、変化に弱い人、メンタルが弱い人はどんどんしんどくなっていくと思うんです。

 

ですので、私の今までの仕事や経験で蓄積されたもの、これから蓄積されていくものを、即座にアウトプットして、後進の方のお役に立てる人間でありたいと思っています。

 

まだまだ自分自身学びにも行きたいし、足りない部分もいっぱいあると思いますけれど。

 

――その未来を実現させるための課題はなんですか?

 

山積みですが、私がすぐに講座を作ってしまうので、それを知ってもらう活動に時間が裂けていないのが現状です。だから宣伝広告活動をしなければいけないですね。

 

あとは、学び。学習という意味での良質な仕入れですね。周りの方がこれからレベルアップしていく中で、それに応えられるだけ自分もレベルアップしていかなければいけないと思います。

 

あと、これは課題ではないかもしれませんけど、地元の自営業者の方々とずっと仲良くしていきたいです。

 

自営業者同士がつながると、ものすごい副産物があるんですよ。その輪をもっと大きくしていきたい。

 

地域を基盤に同じ思いの人たちと共に頑張っていきたいと思っています。

 

「こうしたい!」を口に出す

 

――このセンターには起業を目指す方が多く集まると思うのですが、最後に夢を持つ人に一言お願いします。

 

夢に近づくっていうのは絶対一人の力では限界があるので、やっぱり繋がりを作るっていうことが大事ですね。

 

能力があっても、活かせる場所や、活かしてくれる人がいないと上手くいかないですから。

 

それと、「こうしたいんだ!」っていうことは、口に出していく方がいいですね。そうすることで後に引けなくなり、実際に行動を起こす。

 

その積み重ねで、夢を現実に近づけていけばいいと思います。

 

 

 

 

編集後記

 

多くの人がここを訪れる理由がわかりました。とにかく彼女、明るくてパワフルなんですよ!それに気持ちがいいくらいに爽やかなんです。センターに集まる方々からも、同じくらいの熱量を感じました。お互いを盛り上げ、高め合える場所。北摂でビジネスをされる方は、ぜひ一度講座に参加みては!?

 

 

取材・文 / 森田 総明

写真 / 細川 俊介


森田 ちかこ

北摂インキュベーションセンター second M
創設者

旅行会社勤務時代に店頭接客をはじめ企画部署でツアー企画などを担当。
その後、専門学校へ勤務。講師兼担任として、学生を育成、就職活動を支援する。
4年間の学校勤務を経て、テレマーケティング会社へ転職。オペレータースタッフの教育トレーナーならびにクライアントの販売促進にからめた社員研修と研修メニュー開発を担当。
結婚を機に退職・本体の金物プロショップでは接客・仕入れ・DIYイベントの企画運営を担当。
また近隣のお客様のお家修繕・リフォーム相談に応じ、店舗利用のプロ職人さんへ仕事を繋ぐ役目も果たす。店舗2Fに<繋がりからビジネスが生まれる場所>となるべく、北摂インキュベーションセンターsecond Mをプレオープン。
キッチンとワークスペースを併設した場所で、チャンレジショップしたい方や創業スタートアップの方を中心にイベントや講座を開催し、支援業務を実施。
「仕事づくりのアイディアは全て現場から」をモットーに自身の自営業の経験を生かし、スタートアップして間がない方が、ビジネス現場で直面する問題解決へむけ、現場で実践しやすい研修メニュー作りや相談業務を心掛けている。

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