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高齢者はどんどん増えていくのに施設が足りない。夜間での勤務の実態。在宅介護の現状。私達はこの現状を変えられると思っています。

2025年問題に代表される日本の超高齢化社会。

様々な問題が浮き彫りにされる中、具体的な解決策はまだ見い出せてはいない。

そんな現状にIOTの技術を使って、医療、介護の分野で変革を起こそうとしている男がいる。

株式会社オフィスワン ジェネラルマネージャー 木元崇詞 氏。

IOTを通じて彼が描く未来とは。詳しい話を伺いました。

 

 

――事業内容を教えてください。

 

 

弊社顧客企業様が企業内で導入されているコンピュータの保守管理業務を主に行っています。あとは、ソフトウェアの開発、導入、その保守管理もしています。

 

 

ソフトウェアの開発は在庫管理、顧客管理、特殊なものとしては、例えば農業用用水でポンプが壊れた場合などにお知らせするようなもの。ユーザー様は官公庁が多いんです。この業態での実績は20年以上になりますね。

 

 

企業様の実際の業務を聞かせていただいて、その業務に合ったシステムを開発しています。

ですので、特定の業種には特化していないんですよ。それぞれの会社にあったものを開発しています。

 

 

保守管理については、定期的に伺うようにしています。コンピュータのトラブルは日常茶飯事じゃないですか。

 

 

企業様のお使いのパソコンは、トラブルが起こると業務に差し支えますし、トラブル解決するまで、時間もかかってしまいます。

 

 

コンピュータのトラブルを未然に防ぐ方法として、定期点検を実施する事により本来ならトラブルが発生するところを、起こらないようにする事で、企業様は業務に集中していただける。

 

 

それが、長年培ってきたサービスです。弊社しかない「オリジナルサービス」としています。

 

 

また、訪問する際は従業員様1人1人にも意見を聞くようにして、改善できるところは改善していきます。

 

 

――木元さんのこれまでの経緯を教えてください。

 

 

大学卒業後、大手の家電量販店に就職しました。

初めは今のようにコンピュータには興味がなく、音楽関係の商品に興味があったんです。

ですが、人事命令でコンピュータ専門の部門に行くことになったんですよ。

 

 

そこに3年程いたのですが、やはり当初の想いがあり音楽関係の商品部門に移ることになりました。

でも、そこで業界の違いにびっくりしたんですね。

 

 

コンピュータ関係のメーカーさんはすごく丁寧だったんです。営業の方も非常に熱心でした。

ただ、音楽関係のメーカーさんはそうではなかったんですね(笑)なんというか、熱意がありませんでした。

 

 

いろいろ改善案を出したんですが、これはダメだと。

店頭での販売も4年程やっていたんですが状況は変わりませんでした。

 

 

熱意のあるコンピュータ関係に戻りたいと思っていた時に大手100パーセント出資の子会社に行くことになったんです。そこは、法人に対してコンピュータのシステムを販売する会社でした。

 

 

そこで、システムを販売することの意味や意義を深く学びました。

販売の仕方も今までは相手が個人だったのが法人になり、初めは大変でしたが、結局そこでは5年程務めました。

 

 

 

 

納品して終わり?

 

 

転職してから5年が経ったのを機に独立しました。

 

 

業務引き継ぎに関しては後輩にお願いしたのですが、独立して3ヶ月程経った頃、ある出来事があったんです。

 

 

前職でご縁があったお客様と電車の車内でばったり会いまして、お互いに時間があったんで喫茶店で話をしていたんです。

 

 

お客様から言われたのは「引継ぎが上手くいってない。PCの調子が悪い。ちょっと見に来て。」ということで、休日に見に行ったんですね。

 

 

そこで調子が悪いところを何日かかけて順番に解消していったんです。

すると、それを見たそこの会社の社長に「是非君に定期的に来てほしい」と正式に依頼されまして。

 

 

この経験が今の私の仕事のスタイルに繋がっているんだと思います。

導入して終わりではなく、現場の人間が使えるようになるまで通う。

また、問題が起きていなくても定期的にフォローすることの重要さを理解しました。

 

ありがたいことに、営業では飛び込み等のやり方はしたことがないんですよ。

ご紹介がほとんどですね。そう思えば人のご縁て不思議ですよね。

 

 

3年前のあの日

 

 

3年前にある商品に出会ったんです。

以前から繋がりはあったんですが、当時でも5年くらいはご無沙汰だったんじゃないかな・・・。

 

 

その方は技術者で、おもしろい話があるとのことで久しぶりに連絡がありました。

 

 

お会いしていくつか話を聞いていたんですが、その時の話に出たのが介護施設用の見守り装置だったんです。現在の弊社商品の元になる話だったんですね。

 

 

その時は私も介護業界のことは知らなかったんですが、話を伺ううちに業界にとっても、入居者にとっても、また高齢化社会である世界全体にとっても、非常に意義のある商品になるんじゃないかなという思いはありました。

 

 

話を聞いてから、1年間市場を調査したんです。特に医療現場の最前線に立つ医者や看護師、介護士さんに話を聞きました。

 

 

高齢者はどんどん増えていくのに施設が足りない。夜間での勤務の実態。在宅介護の現状。問題は山積みではありますが、有効な手立てがないまま高齢化社会に向かっています。

 

 

この問題を軽減出来るのではないかと思ったんですね。

 

 

 

 

思わずぞっとする。

 

 

また、その想いを強く感じた出来事が私自身にもありました。

 

 

私は香川県の小豆島出身なんですが、母親は今もそこで一人暮らしをしているんです。

 

 

ある日母親が夜中にトイレに行こうと思い、ベッドから移動した際にちょっとした段差で躓いてしまい、骨を折ってしまったんです。

 

 

夜中の2時くらいのことです。骨粗鬆症を患っていて骨が折れて立ち上がれなかったみたいなんですね。

 

 

近くに長男が住んでいましたから、朝実家に行きそこで初めて事態がわかったということがあったんです。倒れた日の午前7時、約5時間後になって初めてわかったんです。すぐに病院に行き手術しました。

 

 

私はその話を聞いてぞっとしたんですね。

 

 

一人暮らしの老人というのは常にこういうリスクがあるのかと。場合によっては、助かる命も助けられない。きっとこういう方って全国にたくさんいると思うんですよね。

 

 

そこで、今まで培ってきた経験と実績、ノウハウを生かし目を付けたのが今話題のIOT技術です。

 

その技術を生かす事で、この問題の解決に少しでもお役に立てるのではないか?と思い、IOTシステムを作り上げてみたいと強く思いました。

 

 

2017年インテックス大阪

 

 

ですので、調査と同時に商品を開発して、ネーミングやコンセプトも設計し2017年、インテックス大阪で「第2回医療ITソリューション展」に出展をしたんです。

 

 

その時はすごく反響があって、来場者予約だけで手がいっぱいになりました。全部で3日間あるんですが、3日とも来場者予約だけで全部埋まったんですよ。

 

 

当然スポットの来客もあったので、ありがたいことに手が回らなくて。その時にNHKの取材や、業界紙の取材依頼もありました。

 

 

みんなやはり抱えている問題は同じなんだなと実感しましたね。

 

 

ただ、その商品にはシステムの不安定さが少し残っていました。

 

 

そこで、私自身が商品コンセプトを再度修正変更し直して、プログラムを作り込んで課題をクリアしました。

 

 

もちろん作り直す際にも看護士、介護士さんの要望や意見を取り入れて、ようやく3か月前(2017年11月)にやっと完成品が出来たんです。

 

 

Happiness(ハピネス)絆

 

 

病院介護施設の様々な問題を幸せに解決するという意味合いでハピネス。

いろんな人の繋がりで出来上がった商品ですので、絆。

 

 

併せて「Happiness(ハピネス)絆」という商品名になりました。

 

 

――どういった方が話を聞きに来られるのですか?

 

 

介護、医療関係従事者ですね。

 

 

介護関係は特に離職率が高いんですよ。夜の勤務になると、2名体制とかになる。1時間おきに部屋にお伺いして、きちんと寝ているかとか、排泄排尿の交換作業。

 

 

休んでいる時間はないんですね。場合によっては2人で50床とかを見て回るんです。凄く大変ですし、過酷です。

 

 

そんな状況なんで長くは続かないんですよ。例えば通常は3年経ってようやく入居者さんの癖や性格がわかるようになる。ただ、その段階で辞められるとまた一から育てないといけないし、入居者にとってもよくないんです。

 

 

介護施設としては、ようやく戦力になったのに辞められる。新しい人の募集にも育成にも時間がかかる。

 

 

私達はこの現状を変えられると思っています。

 

 

バイタルセンサー

 

 

 

 

非接触で対象者の心拍数、呼吸数、離床がわかるんです。

 

 

これを使うことにより、対象者の状態が異常になったらすぐにわかるようになります。異常に早く気づけば迅速な対応が出来ます。

 

 

また、夜間数時間おきに巡回されている業務ですが50床もあれば、1巡回するのにお時間もかかります。そんな中でも、巡回できていない方の心拍が異常になっても、気づかないのが現状です。

 

 

しかし、この「バイタルセンサー」を使えば50名すべての異常を24時間365日ずっと見てくれますしHappiness絆のシステムに記録し続けます。

 

 

現場の声を聞くと、夜寝ている間に亡くなるケースが多いとお聞きしています。もし、夜中に亡くなられたとしても、いつ亡くなられたかは記録を見ればわかります。もちろん!異常があれば、お知らせしてくれます。

 

 

つまり、目の届かないところに目が届くので、少しでもお役に立てると思います。

 

 

おむつセンサー

 

 

 

 

ベッドのシーツの下側(ちょうどおしりの下側)にセットします。やわらかいシートなので、違和感は感じられません。おむつは、普通の紙おむつをしていただきます。

 

 

このセンサーが、普通の紙おむつの中に排泄、排尿すれば感知してお知らせします。

 

 

つまり、排泄、排尿したお知らせを確認したら、おむつの取り換えに行っていただくだけの業務になります。

 

 

なにより助かるのは、夜の巡回業務の1つである「排泄、排尿確認」をせずに済み、業務の軽減を実現します。

 

 

無線センサータグ

 

 

 

 

縦横2.5cm 重さ6.5gと言う非常に小さく軽いセンサーです。

世界最小、最軽量を実現しました。(※当社調べ)

 

 

これを、患者、入居者様のどこでもいいので着けて頂きます。

1:随時、どこにいるか位置情報を送り続けています。

2:転倒したら、電波を発信しお知らせします。

3:このセンサーの近くで2回連打し、振動をあたえると、電波を発信しお知らせします。
※指の不自由な方で、看護士、介護士さんを呼びたい時に使えます。

 

 

この3つの機能を搭載したセンサーです。

徘徊される方、認知症の方、病院、施設から外へ出ようとする方に最適なセンサーです。

 

 

在宅介護について

 

 

本当に近い未来でいわゆる「2025年問題」というのがあります。

 

 

介護施設がいっぱいで入れない。在宅介護が増えるという問題です。もちろん、これは日本だけの問題ではありません。

 

 

私達は今、在宅介護向けの商品も施策検討中です。離れて暮らしていても家族が安心出来るようなものになります。

 

 

――今年も「医療介護総合EXPO」インテックス大阪で出展されるんですよね?

 

 

はい。今回も事前予約で3日間とも全て埋まっています。今回の展示会は海外の商社が約50%来られます。

 

 

高齢者が増えているのは海外も同じなんですね。言語対応に関しては、英語には対応しています。現在中国語の対応、海外への販売体制作りをしているところです。

 

 

第3回医療ITソリューション展(インテックス大阪)出展の様子

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――「ハピネス絆」を通してどんな世の中になったらいいと思いますか?

 

 

一番良いのは人対人なので、看護師や介護士が増えることが一番良いですよね。

 

 

ただ、現状はなかなかそうではない。一人暮らしの老人は今後どんどん増えてきます。離婚されて1人という方もいるでしょう。

 

 

病気というものに対しては気をつけていても発症してしまう。健康であっても心臓発作は急に起きる時があります。

 

 

IOTの技術を使って、そういった社会を見守り、医療に関わる方々、高齢者やそのご家族にとってやさしい循環が出来ればと考えております。

 

 

 

 

 

 

 

編集後記

 

 

超高齢化社会において、医療・介護の分野は非常に多くの問題点を抱えている。

 

中でも深刻なのは働き手不足だ。担い手も少ないうえに、業務も過酷だ。夜間勤務の現場ともなると、少ない人数で対応しないといけない現状がある。命と寄り添う現場なので油断も出来ない。

 

 

その現状とは裏腹に高齢者はどんどん増えていく。対応施設の数も少なく今後は在宅介護が増えてくるだろう。一人暮らしの高齢者もそうだが、離れて暮らす子供たちも両親の安否が心配だ。

 

 

木元氏が現在手掛けているものは、それらの問題を軽減できるものだ。

 

 

自身の母親の出来事がきっかけでこの問題に強く向き合うようになった木元氏だがこの話は、決して他人事ではない。木元氏の活動を機に世の中の1人でも多くの人が、自身の状況を考えるきっかけになっていただければなと願う。

 

 

 

取材・文 / 濱中 圭介

写真         / 細川 俊介


木元 崇詞

株式会社オフィスワン メディカル事業部←サイトはこちら
General Manager

大学卒業後大手家電量販店の勤務を経てコンピュータシステム会社へ転職。
2000年1月に独立し2003年9月に法人化。有限会社ピーエスシー設立。
2009年4月に株式会社オフィス・ワン共同設立。
2016年より「ハピネス 絆」の開発着手。
2017年11月「ハピネス 絆」完成。
現在、ご要望があった病院、施設にデモ機を無料で貸し出し中。

【事業内容】
病院・介護施設の入院患者や入居者を安全に見守るトータル介護システム(非接触IOT見守りシステムHappiness絆)の販売・保守・サポート
導入コンピュータの定期保守・サポート
コンピュータシステムの構築・販売・保守・サポート
ネットワークコンシューマサポート
システム コンサルティングサービス
DB・ソフトウェア開発・販売
WEBコンテンツの企画・制作・販売

◆2017年2月15日~2月17日の3日間/インテックス大阪会場にて第2回医療ITソリューション展に出展。(約3万人の来場者、1,100社の出展企業)
★NHK様より取材、放映。
★照林社様より、看護師様専門月刊誌「エキスパートナース」2017.4月号に掲載。
◆2018年1月17日 大阪産業創造館 ライフサポート展2018に出展。
◆ 2018年2月21日~23日の3日間さらにグレードアップしてインテックス大阪会場にて第3回医療ITソリューション展に出展。

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