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どこに行っても「町長のお孫さん」そのまま育っていたらと思うと、ぞっとしますね(笑)

置本氏の構想する新しい物流倉庫の形。それは、既存の概念を覆す魅力的な発想だ。実現すれば1つの大きなコミュニティーを形成し、そこに携わる人々の暮らしを豊かにするアイデアだ。その構想に至るまでにはどのような道のりがあったのか。詳しい話を伺いました。

 

EC物流

 

――まずは、現在の事業のことについて教えてください

 

はい。クラウド型物流管理システムを導入したEC物流をやっています。物流加工も併設していますが、今はEC物流に力を入れています。

 

元々はグループ会社でスポーツ用品の卸しをやっていて、それを自社物流として営業していました。

 

友人が物流加工の組み立ての会社をやっていたのですが、2年程前に彼を弊社に雇い入れまして今の形の基礎になりました。

 

物流加工は人の手を使って作業するので、売上のキャパが決まってしまう。人の数で売り上げの額が違ってくるんです。

 

内職さんの募集となると、人が集まりにくいので、売上が伸びていかないんですよね。これはどうにかせなあかんと。

 

何か次の一手をと思って考えたのがEC部流という形でした。

 

その時は私は別の部署にいたんですが、そこの底上げという形で手伝うようになりました。

 

出会い

 

ECサイトでも、BtoB、BtoCと両方あります。システムを入れないと難しいですよね。でも、システムとなると莫大な費用がいると漠然と思っていたんです。

 

加工物流の売り上げも頭打ちで、どう脱却したらいいのかずっと考えていたんですが、どうしたらいいのかわからなかったんです。

 

その時は、一部だけEC部門を扱うようにはなっていたんですが、すごくアナログでした。

 

埒があかないので人を頼ろうと思って(笑)幸いなことに僕の周りには凄い人が沢山いるんですよ。その人達に相談をしに行きました。

 

その中の1人で、アメリカ留学中に知り合った先輩からシステム会社の社長を紹介してもらったんです。

 

東京に出張に行っていたのですが、その日の夜にお会いすることになって話を伺いました。それが、去年の2月の話です。

 

その会社は物流倉庫にシステムを入れてEC物流を導入する会社だったんですね。

 

――そこから、今の形が出来たんですね?

 

はい。でも、最初は全然信用していなくて(笑)ですので、商売をする前に遊ぼうかなと思いましてゴルフに行ったんです。

 

お付き合いするうちに悪い人ではないということがわかったんでお願いしました。

 

アメリカ

 

――留学中のお話しを聞かせてください。

 

ほぼ遊んでいました(笑)名目上は留学だったんですけど、サーフィンをしたり、パーティーをしたり。

 

高校を卒業してすぐに留学しました。ロサンゼルスだったんですが、もう面白すぎて。すぐに戻るつもりだったんですが、もっと居たいと思ったんですね。

 

2年程してから短大に入って、短大を卒業しても「もっと居たい」ということで、4年制大学に編入したんですよ。

 

「帰ってこい」

 

卒業する時もまだまだアメリカに居たかった(笑)親父が貿易の会社もやっていたので、親父としては英語が話せる人間を傍に置きたかったという思いがあったんですが、なかなか帰りませんでしたね。

 

親父から「帰ってこい」と手紙が来ることもありました。

 

最終的には、そこで就職をしようと思って現地企業に面接に行ったんですが、採用通知が日本の住所にも送られていて、それを見た親父が頼むから帰って来てくれと。

 

それで、25歳の時にようやく日本に帰ってきました。

 

町長のお孫さん

 

――アメリカでの経験は今も活きていると思いますか?

 

はい。実は僕の祖父は三宅町の町長をしていたんですよ。ですので、学生時代は町長のお孫さんとして育ち、親父はかなり大きく商売をしていたので、チヤホヤされて育ってきたんですよね。

 

どこに行っても「町長のお孫さん」ですので、ずっとその環境にいてたら、あほのボンボンになっていたでしょうね(笑)

 

まったく英語が喋れない状態で留学したので、助けてもらわないと生きていけない。日本の常識は通用しません。

 

アメリカでは、いろんな人種の人がいるんですよ。本当にいろんな人がいる。まず、相手のことを聞いて、一旦自分に入れるということが大事でした。

 

親の七光りがなくなった奈良の片田舎の田舎者が、アメリカにポツンと置かれた状態でした。ですので、行っていなかった自分を想像するとゾッとしますね。

 

――帰国後はどのように過ごしていたのですか?

 

親父の会社の貿易事業部を手伝っていました。帰国1年後には自分でも会社を立ち上げました。

 

サーフィンが好きだったんで、ウエットスーツを輸入販売していました。オーケー物流を手伝うようになったのは去年くらいからですね。

 

意識改革

 

――EC物流を導入する際、どこが一番苦労しましたか?

 

ECを始めるということは、他者様の荷物を預からないといけない。もともと自社物流をやっていましたから、ある程度出来上がった組織に、僕が入って底上げをという話だったので、「こっちに行こう」と言ってもすぐにはなかなか・・・。

 

それは、今でも課題ではあるのですが、とにかく最初はそこが大変でしたね。意識の部分の改革には時間がかかりました。

 

それに、ECの売り上げもすぐには上がらない。加工物流の方も頭打ち。僕が現場にどっぷり入ると新規取引先が増えない。

 

――どのように改革を進めていったのですか?

 

まずは、「わかってもらう」からですね。このシステムって便利だよと。今までのやり方の方が慣れているから早いというのは理解できますが、他社様の荷物を預かることになるので、早さも大事ですが、大前提に間違わない。

 

誤出荷をなくす。初めは時間がかかるかもしれないけど、効率が良くなるよと。

 

ですので、現場での声掛けや実際に現場で一緒に作業することもあります。いきなり全部ではなく、出来るところからやっていく。

 

システムを導入することでヒューマンエラーはほぼなくなりましたね。

 

――EC物流の利点を教えてください

 

業種はいくらでもあるじゃないですか。弊社でもアパレル、ネイルの材料、化粧品、おもちゃ、花瓶なんていうのもあります。システムさえ、きちんとしておけば広がりがあるんです。

 

――そんなにいっぱいあると、逆に出荷の作業が複雑になりませんか?

 

そうですね。ですので、絞っています。沢山あるからといって、全てを扱っているわけではないのです。チョイスすればいいだけです。

 

従業員は女性も多いので、例えば重たいものは扱わないとか。商品で絞るのか、作業方法で絞るかの問題です。

 

――現在、物流業界ではとにかく早さが求められています。その辺りについてはどう考えていますか?

 

それは、乗らざるをえないでしょうね。ただ、弊社は運送はしていません。同じ土俵では考えていません。

 

実は今、新しい取り組みというか、付加価値を付けたものを始めているんです。

 

物流倉庫の新しい形

 

そもそも荷主様から見ると、保管するだけでも保管料という経費が発生します。でも、その荷物を僕達が販売出来たらすごく喜んでもらえると思うんですよね。販売すれば売り上げも立ちますし。

 

保管するだけの倉庫は面白くない。もっと大きな倉庫で、例えば、小売りができるスペースがあったり、シェアオフィスがあったり。

 

自分たちのオフィスは倉庫にあって、商品も倉庫にある。オペレーションはオーケー物流ですけど、そこで働く人の託児所とかあれば、それはもう一つのコミュニティスペースになります。

 

もちろん、倉庫としての機能もあります。そういう形を作っていけたら面白いかなと。

 

カラーズプロジェクト

 

 

――それが、置本さんの提案する新しい物流倉庫の概念なんですね。

 

はい。それを、カラーズプロジェクトというブランド名で展開しています。保管するだけではなく、様々な情報・ライフスタイルの発信ステーションとしての機能を持たせることで、ヒト、モノが集まる空間です。

 

コミュニティー、オフィス、ロジスティクス、アウトドア、リテール、それぞれのスペースを併設した物流倉庫の概念です。頭文字を取ってカラーズプロジェクトとしています。

 

――それを実現させるための課題は?

 

やっぱり人ですね。もちろん僕一人では無理。お金があったら出来るとか、全てオートメーション化したらいいのかと言ったらそれは違う。

 

そこに携わって情報を発信するのはやっぱり人なんですよ。現在は拠点が2つですが、もっと大きくなった時には、どうしても人が必要です。

 

信頼できる人をきちんと育てないといけない。でも、そうなったらすごく楽しい。僕は今まで人に助けてもらったので、本当にそう思います。

 

そこを目指して、間違わずにやっていければ、大丈夫なんじゃないかと思います。

 

――普段から心がけている行動、思考を教えてください

 

常にユルくいたい(笑)バチッという感じがあまり好きではないんです。相手によってやり方を変えると疲れます。着たい服を着ればいいじゃないですか。

 

このことは、私の大親友にも言われた言葉なんですが、例えばラフな格好で人に会いに行った場合、そんな格好している奴はあかんってなったら、どんなにいい服を着てもその関係は長続きしないですよ。

 

それなら、好きな格好でぶつかって、「お前おもろいな」となる方が長い関係を続けられるんじゃないかと思うんですね。僕の場合。

 

――では、最後に夢に挑戦したい方に向けて一言お願い致します。

 

僕も修行中の身なんで、そういう質問には答えづらいのですが・・・。あえて言うなら、夢とか想いっていうのは常に考え続けておかないといけないなと思います。

 

多分、一歩踏み出せないとか、何していいかわからない時とかっていうのは、誰しも絶対あるじゃないですか。

 

でも、そのことをずっと考えていたら、誰か助けてくれます。引き寄せの法則って最近よく聞きますよね。でも、あれは一個抜けていると思っているんです。

 

めっちゃ考えたら寄ってくるというのも確かにあると思うのですが。めっちゃ考えていたら、多分勝手に行動するでしょ。行動したら実現するのは当たり前じゃないですか。

 

行動しないのはめっちゃ考えてないからなんです。考えていたら、人に会った時にそれを言うと思うんです。言ったら何かが広がるんです。

 

ですので、まずは考え続けること。進んでいないと思っても焦らない。考えてる=進んでいると僕は思う。ですので、常に考えるということですかね。

 

 

 

 

編集後記

 

物流倉庫が荷主の商品を販売するだけでなく、そこを起点としたコミュニティーを形成する。置本氏の描く未来には夢がある。思考の根底には人があり、人を中心として物事が展開していく。置本氏が提言するものが実現すれば、業界のイメージを変えるどころか、やがて新しいライフスタイルとして認知され、1つの分化となるだろう。カラーズプロジェクト。今後がすごく楽しみだ。

 

 

取材 / 森田 総明

写真 / 細川 俊介

文 / 濱中 圭介


置本 貴司

株式会社オーケー物流
EC物流事業部

アメリカ留学を経て帰国後、自身の父親の会社で貿易事業を手伝う傍ら海外スポーツ用品を輸入販売するT.A.Cインターナショナルを会社を設立。
・ロングボーダー用ウェットスーツ「Longer's Classic Wetsuits」・生花を使った押し花bag「Orgnic Queen」・韓国製化粧品ブランド「SKIN79」・グローブ職人xTACプロジェクト・「THE CANVAS」&「THE FINCASE」・サーフィン用フィンx書道家プロジェクト「TACMADEx....」・美のセミナーx女子会イベント「彩食兼備」・NewスタイルYOGA「Surfing YOGA」・日本の文化やアーティストを世界に広めるプロジェクト・海の無い奈良からサーフィン文化に革命をプロジェクト等の様々な企画を立ち上げ運営。
2016年より、オーケー物流の底上げを担うにあたり経営に参画。現在、物流倉庫の新しいスタイルである「カラーズプロジェクト」を展開している。

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