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守りたいものを守っていくために何をすればいいのかを常に考えています。その方々をどうやって幸せにするかというのが私自身の課題です。

「100年後の日本の仕組みを作るのは私たちの世代です」

真剣な眼差しでそう語るのは株式会社テーブルクロス代表取締役・城宝薫氏。

利益の創造と社会への貢献の両立で継続可能な支援を実現している。

彼女はなぜこの事業を始め、そしてどのような未来を描いているのか。

詳しい話を伺いました。

 

社会貢献型グルメアプリ・テーブルクロス

 

――現在の事業内容を教えてください。

 

株式会社テーブルクロスは、社会貢献ができるグルメアプリの運営をしております。

 

食べログ、ぐるなび、ホットペッパーのような飲食店検索サービスですが、弊社のアプリで予約をすると予約人数に応じて途上国の子どもたちに給食が届くという特徴があります。

 

10人で予約すると10食、100人であれば100食の給食が届きます。飲食店広告業界を改革しつつ、給食支援を継続していく。

 

初期費用・掲載費・管理費が掛らない成果報酬型で、なおかつ予約が入ることで社会貢献になるというのが事業内容です。

 

――起業のきっかけを教えてください。

 

小さい頃にインドネシアに訪問したことがあるんですが、テレビや雑誌、新聞でも見たことがない、自分と同い年くらいの貧しいこどもたちが、食べるために働いているという現状を目の当たりにしました。

 

国が違うだけでこんなに環境が違うのかとショックを受けましたし、その状況を知ってしまったことへの責任感があったので、少しでもお役立てるように寄付やボランティアを続けていました。

 

高校1年生の時に親善大使としてアメリカに行き、NPO法人で障害者支援をしている団体の打ち合わせに参加する機会がありました。

 

そこでは「どうやって寄付やボランティアを集めるのか」ではなくて、「どうやって継続していくための仕組みを作るか」という議論がされていたんです。

 

社会課題を解決するにあたり、きちんと利益を創造しながら社会貢献しなければいけないという考え方をそこで学び、途上国支援の仕組みを考え始めました。

 

大学時代、飲食店向けの広告会社でアルバイトを経験して、テーブルクロスの仕組みならばオーナー様を幸せにしながらこどもたちを幸せに出来るんじゃないかということに気が付き、数々のご縁が重なって在学中に会社を立ち上げるに至りました。

 

「利益の創造」と「社会への貢献」の両立

 

――起業にあたり最も苦労したのはどういった部分ですか?

 

21歳で在学中に起業したんですが、社会的な信頼がないということが一番大変でした。

 

事業開始に1億円ぐらい必要だったんですが、ある金融機関からは「就職したことのない女性に貸した前例がない」とも言われたことがあります。

 

会社を立ち上げるだけなら比較的簡単だったんですが、銀行口座の開設も出来ない、オフィスの審査もアップルストアのアプリ審査も通らないという状況でした。

 

システム開発した当初はアプリを開いても、50店舗ぐらいしか飲食店の登録がありませんでした。

 

「どういったお店が掲載しているのか」「どれぐらい集客できるのか」「実績はあるのか」営業開拓のときに、それらの質問に全く答えることが出来なかったんです。

 

ですので「予約が誰かのためになる」という文化づくりに賛同して欲しいという自分たちの想いを伝えるということに徹していきました。

 

その想いに共感してくれた方々が周りの方に伝えて下さり、さらに広がっていく。

その積み重ねでここまでやってきました。

 

――城宝さんの考えに否定的な方はいましたか?

 

もちろんいらっしゃいました。

「本当にできるの?」という意見はもちろんありましたし、「若いお嬢ちゃんが何か言ってるよ」って言われたこともあります(笑)

「軌道に乗ったら手伝うよ」という方もいました。

 

今の日本では「利益の創造」と「社会への貢献」その両立を求める考えに対して、出来ないと言う人が圧倒的に多いと思うんです。

 

新しいものが好きだったり、社会問題に取り組む中で弊社のような考えの必要性に気付き始めている人、アメリカの文化に触れた方には関心が高かったです。

 

理念に共感してくれる方とどれだけ出会えるかというのが大事だったので、色んな所に行って発信し続けていました。

 

――城宝さんの信念とは何ですか。

 

社会的な責任を背負っているという自覚は強く持っています。100年後の日本の仕組みを作っていくのは私達の世代ですから、誰かがやらないといけません。

 

じゃあ誰がやるのかというと気づいた人、つまり私がやらなければなりませんよね。

 

それに、私には守りたいものがたくさんあるんです。

スタッフ、社員、弊社に関わっている飲食店様、パートナーシップを組んでいる方々、起業当初から応援してくれている株主やファンクラブの方々。

 

信念を貫くという気持ちはあまりなくて、守りたいものを守っていくために何をすればいいのかを常に考えています。

 

その方々をどうやって幸せにするかというのが私自身の課題です。

 

日本の文化を変えるプロジェクト

 

 

私達の最終目標は、日本の文化を変えることです。

日本人には、まだまだポケットマネーで寄付するという文化が根付いていないので、日本人に合った寄付モデルをつくるというのがこのプロジェクトの目指しているところです。

 

それには「金銭的な負担が掛らない」「習慣の中で出来る」この2つがキーワードだと思っています。

 

文化を作るってすごく大変なので、やみくもに組織を大きくしたいわけではないんですが、そうせざるを得ない部分はあります。

 

全国の飲食店の営業網を作らないといけないビジネスモデルですし、開発も世界レベルまで技術力をアップさせなければいけません。

 

全国規模でマーケティングを行う場合、人材や資本力はある程度は必要ですので。

 

――国内のみならず海外も視野に入れていますが、課題はどういった部分ですか?

 

やはり言語の問題です。

言語変換していかなければいけないんですが、それを手作業でやるにはあまりにも労力がかかりすぎます。

 

やはりシステムに頼らなければいけない。

けれど翻訳ツールのレベルにも限界があるので、技術開発にも力を入れなければなりません。

 

グローバルに展開していくためには、システムレベルの向上、ネットワークや人脈の構築、もちろん資金力も必要です。

 

それらを1つずつ解決していかなければなりません。

 

弊社のシステム開発には全員外国人を採用していますので、情報量の多さもひとつの強みだと思っています。

 

開発できるAIのレベルも高まってきていると感じますし、海外に挑戦していく企業としての基盤づくりは出来つつあると思います。

 

類似ビジネス大歓迎!

 

――今後、類似したサービスが出るかもしれませんね。

 

文化づくりを目指していますので、うちのビジネスモデルが良いと思って同様の企業が出てくれば本望、大歓迎です(笑)。

 

ただ、そういった企業はなかなか出て来ないんじゃないかと思っているんです。

 

飲食広告業界って一見簡単そうに見えるんですけど、実はかなりお金がかかる業界なんです。

 

店舗数が少ないうちは何とかなりますが、1000店舗を越えてくるとオーナー様向けのシステム構築が必要になってくる。

 

このシステム開発にかなりの資金がかかるんです。

 

営業コストも大手だと1店舗あたり5万円程かけていますので、そこまでの資本と人材を使ってまでやろうとする企業は何かしらの知恵がないと生き残りが難しいようにも思います。

 

――途上国の貧困問題の他に、解決していきたい社会課題はありますか。

 

途上国の支援をしていると、国内の貧困問題に対する支援はしないのかと聞かれることはあります。

 

もちろん日本に住んでいる以上、国内の貧困や地域の過疎化、少子高齢化などの問題も無視はできません。

でも私達、1社だけで出来ることは限られています。

 

それよりも弊社のような企業が次々と出てくる方が意義があると思うんです。

 

社会課題に対してアプローチする企業がもっと増えればと願っています。

 

――最後に、これから起業する方にアドバイスをお願いします。

 

私のスタイルは、「やってみないとわからない」です。

 

やるかやらないかで悩んでいるんだったら、迷わずやったほうがいいと思っています。

 

結局どれだけ資料の中で論理的に上手くいっていても、時代背景、出会った人、環境によって結果は左右されると思うんです。

 

でも私たちのように理念や想いだけでスタートして、色んな方の協力で成長してきた会社もありますので、まずやってから考えましょう。

 

まだまだ日本は起業のリスクは少ないので、行政の支援プロジェクトなどを活用しながら進めていけばいいのではないかと思います。

 

 

 

 

編集後記

 

まだまだ日本では浸透しているとは言い難いCSVの考え方。

日本企業が世界に進出するため、社会問題解決のためにもこの取り組みはますます重要になってくる。

幼い頃から社会問題に触れ、グローバルな視点を持ち続けた彼女が作り上げたテーブルクロスの理念は素晴らしい。

それでも文化として根付かせるのは一筋縄ではいかないだろう。

だが、必ずや実現できると私は確信している。

それだけの強い想いと実行力、人を惹き付ける魅力が彼女にはあるからだ。

 

 

取材・文 / 森田 総明

写真 / 細川 俊介


城宝 薫

株式会社テーブルクロス(TableCross Inc.)
代表取締役
設立:2014年(平成26年)6月25日
社会貢献ができるグルメアプリ「テーブルクロス」の運営
メディア・講演実績はこちら

立教大学経済学部卒業
学生団体 Volante 代表

・高校時代
中学・高校時代、4年間に渡り生徒会副会長・生徒会長に就任
浦安市とアメリカフロリダ州オーランドを繋ぐ親善大使
太平洋アジア立命館大学国際経営学部横山教授によるSuper Cross-Cultural Program最終プレゼン優勝
豊島区ディベート大会最優秀賞受賞
内閣府特定非営利活動法人日本ライフセービング協会CPRを取得

・大学入学後
2012年4月 企業と提携して新商品開発を行う学生団体Volante[ボランチ]を創設
浦安市国際交流協会UIFA 地域交流サロン責任者NPO法人AIESECに参画
2012年5月 NPO法人カタリバ学生コアリーダー
2012年7月 NPO法人Teach For Japan学生教師
2013年2月 メキシコのTECNOLOGICO DE MONTERREYに留学兼ホームステイ
モンテレイ工科大学の学生と日本人留学生合同で行われた「日墨商品ビジネスコンテスト」準優勝
2014年6月 株式会社Volante設立
2014年8月 オーストラリア クイーンズランド情報発信大使

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