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自分が知らないことを知る、知らない人と話をする、それも勉強。何歳になっても勉強し続ける。これは今でもそう思っていますし、うちの社員にも言い聞かせています。

多種多様な日本各地の名だたるイベントの設営撤去を手掛け、全国36ヶ所もの支店・営業所を構える株式会社ユニティー。

その大所帯を率いるのは、アルバイトから代表取締役にまで昇りつめた林洋一氏。

直面した経営危機を乗り越え、粉骨砕身してきた彼の精神力とその根源とは。

詳しい話を伺いました。

 

株式会社ユニティーとは

 

――株式会社ユニティーの事業内容を教えてください。

 

大きく分けて2職種ありまして、まずひとつはイベントディスプレイ業です。

 

建設業のカテゴリーとしてディスプレイ業、装飾業って言うのはないんですが、建設業にあたります。

 

関西でしたら京セラドーム、インテックス大阪、マイドームおおさか、OMM、神戸国際展示場、京都国際会議場など。東京でしたらビッグサイトや幕張メッセなどですね。

 

そういったところで毎日のようにイベントが行われているんですが、そういった展示会の設営撤去に携わる仕事です。

 

――具体的な作業の内容はどういったものでしょうか。

 

メーカーさんの看板の設置や商談スペースの設営、大規模な会場でしたら、机8000台、椅子を16000脚、ホワイトボード600台、これを250人くらいで並べるんです。

 

夏であれば夏フェスや野外音楽イベントなどですね。その屋外テントを並べる仕事です。

 

うちの社員が打ち合わせや現場の指揮をとってやっていきます。これが全体の4割の業務になります。

 

もうひとつは、事務什器の施工です。商品陳列の棚什器の施工工事になります。10年前、大手ファストアパレルメーカーさんが全国展開をしたんですが、全店舗を弊社で施工工事しました。

 

他にも外資系アパレルメーカー、ショッピングモール等の大手企業での施工をさせて頂いております。その業務も合わせると全体の8割です。

 

残りの2割は一般電気工事と土木工事です。土木工事に関しては、八尾に事務所を構えておりますので、市からの仕事を請け負って電柱工事や建物の躯体工事、太陽光パネルの施工工事などがあります。

 

電気工事に関しては様々なものがありますが、自治体の夏祭りの提灯を繋げたりといった業務があります。

基本的には内装仕上げ工事業を主業務として社外に発信しています。

 

設営撤去だけでなくイベントの運営業務もやっています。

 

某有名ハイブランドやその母体である大手ホールディングスグループさんが自社商品を社内販売するイベントがあるんですが、商品陳列、什器の準備陳列、誘導案内からレジ打ちまで全て弊社が行っております。

 

施工管理社員として、もともとアルバイトだった人間を正社員として雇用するという形を構築しています。

 

女性社員もここ5年で増えていまして、もともと全社員の10%程しかいなかったんですが今では25%ほどに増えまして、現場作業をしっかりこなしてくれています。

 

――林社長がユニティーに入社した経緯を教えてください。

 

もともとはただのアルバイトだったんです。その頃は会社も大阪にしかなくて、社員も10人ぐらいでした。

 

当時の僕でも「大丈夫か?」って思うくらいの会社でした。半年くらい経験を積んで社員になったんです。

 

そしてその後、弊社の全国展開が始まりました。私は西日本担当だったんですが、拡大にあたり西日本主要都市には全部住みました(笑)

 

不動産屋を回って事務所を探して事務機器、名刺、封筒の手配をして、求人広告を出してっていうのを1人でやるんです。

 

最初は「本当に1人で行くの??」って思いましたよ(笑)まだ若かったので、そこまで疑問には思わなかったですけど。

 

人集めは比較的簡単でした。今だったら10万円の広告で5人も来ないですけど、当時なら100人程度は集まったんですよ。

 

まずアルバイトに声を掛けて、事務所で留守番をしてもらうんです。留守番をしてもらっている間に自分は営業に出掛ける。

 

仕事を貰ったら現場に行くわけですが、もちろん作業のわかる人間がいないので、私がみんなを連れて行きます。

 

アルバイトの方々に、社員にならないかと声を掛けていくんですよ。若い職場だったんで、話をしていたら気も合いますし「一緒に頑張っていこうよ」って声を掛けたら社員になってくれるんです。

 

そういうやり方で、大体半年で月の売上が600万、社員5名の一つの事務所が出来あがります。で、その人たちに後を任せて次の事務所を作りにまた別の都市に行くんです。

 

急成長の弊害

 

全国展開をする中で、たくさん作ってきましたし、たくさん潰してもきました。

 

1番多い時で100店舗位まで増えましたが、管理体制がしっかりしていなかったので、年間の売上は今より少なかったんです。

 

個々の事業体の数字的な管理をほとんどせず、全体での金額でしか管理していなかった。

 

そうするとキャッシュフローが狂ってくるんですよ。先代社長も私を含めた役員もそこまで重要視していなかったんですね。

 

結局会社にお金がなくなってしまい、ひと月で約50ヶ所を閉鎖、西日本の社員約100人と面談し、辞めてくれないかと伝えました。それが27歳の時ですね。

 

会社にお金はないけど、現場を回すためにはアルバイトと社員に働いてもらわなければいけない。

 

その給与を捻出するために、半年間役員の給料を止めたんです。それでも払いきれない場合、個人的に工面していました。

 

社外の人間も経営陣として招致していたんですけど、全員辞めましたね(笑)結婚して子供もいるのに報酬なしでは仕方ないですよね。

 

私は20代、まして独身だったんで「死ぬわけじゃないしいいか」と思っていましたし、こういう状態を経験するのも面白いかなと。

 

なによりずっと一緒にやってきている人間がいる限りは続けたかったんです。今の役員9人中5人は、一緒にお金のない時代を共にした人間です。

 

30歳で取締役社長就任

 

僕が30歳くらいの時に、取締役社長が体調不良で病院に行ったんですが、そのまま亡くなってしまったんです。本当に急なことで、その方もまだ36歳くらいでしたから本当に驚きました。

 

その出来事を受けて代表から話がありまして、30歳で私が取締役社長に就任したんです。

 

そのあとにリーマンショックや某大手派遣会社問題などがあったんですが、なんとか潰れずにやって来ることが出来ました。

 

――派遣法改正の影響はありましたか?

 

あの時は本当に大変でしたよ。某大手物流会社に毎日100人ぐらいを派遣していたんです。

 

法改正で他社が許可を取っていく中で、弊社は派遣事業から撤退することにしたんです。

 

そして別の会社に派遣に関するすべての仕事を譲渡したんですよ。そのとき売上約40億円のうち10億円を失うことになりました。あれは痛かった(笑)

 

――気持ちが折れることはなかったんですか?

 

もちろんありましたよ。お金が無い生活って本当にしんどいですから。やはり給料が止まってしまったのが入口ですよね。お金がなさすぎて事務所に住んでいたくらいです(笑)

 

結婚して子どもが出来て、妻にお金を管理してもらうようになってから、きちんと回るようになりました。奇跡です(笑)

 

考えても仕方ない。だから考えない。

 

 

利き腕である右腕が、半年間動かなくなった時期がありまして・・・。

 

寝違えて痺れていると思って病院に行ったら、神経が絡まっているからどうしようもないって言われたんです。すぐ治る人もいれば、一生このままの人もいるって。

 

でも「動かないものは仕方ない」「考えてもどうしようもないことは考えない」っていうのが昔からの性格だったんで、悩んだのは2時間程度でした(笑)

 

左手で字を書く練習をしましたし、寿司屋に行ってもフォークを借りて左で食べていましたね。

 

でもパソコンは困りましたね、マウスをまったく握れないんで。たくさん打たないといけないときは社員に代わりにタイピングしてもらっていました。

 

お金がなかったことに関しては自業自得だと思っていますし、右手も無事に動いたんで今となっては笑い話ですけどね(笑)

 

――今後の事業展開を教えて下さい。

 

施工工事を行う会社としての業務の幅を広げていけるように取り組んでいます。ここ数年で言えば土木事業や電気工事事業ですね。

 

例えば電気工事士の国家試験を受験したい社員を集め、専門学校から講師を呼んで受験対策講習を受講させています。

 

そうすると受験した人間の3分の1は有資格者になるんです。その上で、どういった仕事をどういったお客様に対してアプローチしていくかというのをここ3年位取り組んでいて、その形は出来つつあります。

 

一昨年、東京に400坪の倉庫を借りて、トラック5台と資機材を全部揃えて、現場のことをすべて請け負えるような形にしたんです。

 

それは新規事業と言う見方もできますけど、イベント内装施工の工事で今まで出来なかったことを出来るように取り組んでいきます。

 

ただ全国の支店で京都だけはイベントの主催を行っているんです。自分達で運営会社、製作会社、アーティストに働きかけて、それを会社の事業としてやっていきたいという社員がいたんですが「やってみなよ」の一言でした(笑)

 

――社員の声が届く風土は素晴らしいですね。

 

全国の支店を回って、従業員の意見を聞くようにしています。

 

これからの時代の人間が新しい事をやりたいと言えば、仮にそれが今と関係ない、例えば飲食事業であったとしても、やれと言うかもしれない(笑)

 

――最後に、起業を考えている人にアドバイスをお願いします。

 

僕は会社を作って社長になりたいと思ったことがないので、そういった方々に対して言えることもないんです。

 

その上で本音で思ったことを話すならば、「やめた方がいい」と答えますね。

 

自分がやりたいことを仕事にしたいと言うよりは、お金が稼ぎたいわけですよね。

納税者の中で年収1000万を越えている人の比率は2%、年収2000万越えているのは0.01%です。

 

医者や士業、社長と呼ばれる人しか越えられない。そういった方々は、みんなが遊んでいる時期に必死に勉強をしてきた人ですよね。

 

じゃあそうしてこなかった人間は、時間を切り売りするしかないんですよ。私も若い時はアルバイトを4つ掛け持ちしていましたし、起きている時間の9割は仕事していました。

 

でもそんなことを一生続けることはできないですよね。

 

起業をするのであれば、勉強し続けなさい。東大に行ける人と同じくらい勉強してこなかったんだから、同じくらい稼ぎたければ同じくらいの勉強をしなさいと。

 

勉強って算数や国語だけじゃないんですよ。自分が知らないことを知る、知らない人と話をする、それも勉強です。

 

勉強は続けないとダメです、何歳になっても。これは今でもそう思っていますし、うちの社員にも言い聞かせています。

 

 

 

 

編集後記

 

 

並の人間であれば途方に暮れてしまうような状況でも、即座に腹をくくる。悩みからは何も生まれない。困難を克服することでしか成功は得られないと知っているからだ。

創業者ではないからこそ知る、そこで働く人たちの想い。

従業員の声を汲み上げる風土、それが実行できる土壌は、かつての苦しい時代に仲間と共に築きあげてきた「株式会社ユニティー」という会社を、林社長ご自身が愛しているからこそ生まれたものなのだろう。

 

 

取材・文 / 森田 総明

写真 / 細川 俊介


林 洋一

株式会社ユニティー
代表取締役

仕事を求める人材とユニティーとの出会いは、小さな偶然やきっかけからはじまります。
経験がなくスタートした仕事であっても、業務に必要な資格を取得し、知識やスキルを磨くうち、どんどん面白くなっていく。
気づけば、人生観が大きく変わり、アルバイトから社員へ。
そしてユニティーを躍進へと導く、かけがえのないパートナーへと成長していきます。
私たちが目指すのは、ユニティーで働く全てのスタッフを”プロ”へと成長させること。
そのための教育・資格取得支援など、様々な制度を整えることは、ユニティーの責務だと考えています。
また、仕事を通じて人や社会とつながることで、”社会に必要とされる”という喜びと誇りを認識してほしい。
そして、全てのスタッフが、社会に価値を提供できる人材として活躍してくれること。それが、私たちの願いです。
関わり合う人々、あらゆる出会いに育てられてきたユニティーだからこそ、よりよい人を育てることで社会にもっと貢献したい。
ユニティーは本来の事業プラスαの価値を提供する企業を目指します。

業務内容
イベント内装施工サービス
イベント運営サービス
内装施工サービス
太陽光発電・オール電化施工サービス
軽作業、他各種請負サービス
土木工事業 他

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