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独立すると雑な扱いをされることもありました。  でも、それをエネルギーに変えていました!

一流企業から一歩はみ出す。

築き上げたキャリアを捨て、起業という茨の道を選んだ西口泰氏。

健康、環境の観点から社会課題の解決を目指す彼が取り組む事業「未病チェックHQC」「グランデ1314」(通称ヒナボール)とはいったいどういう未来を生みだすのか。

詳しい話を伺いました。

 

はみ出したい精神

 

――現在の事業について教えてください。

 

事業の分野としては健康と環境といった枠組みで、複数のパートナーと連携して事業展開しています。

 

事業パートナーが持っている商品を、経営側の立場で企画やコーディネートしていくことが主な業務です。

 

――事業を始めたきっかけを教えてください。

 

起業したのは3年前で、それまでは関西電力という会社に在籍していました。

 

それはそれで楽しかったんですけど、昔から自分の中のどこかに「外れていたい」という気持ちがありました。

 

もちろんルールは守りますけど、その上で組織に組み込まれたくないみたいな思いですね(笑)

 

第二の人生

 

直接的な動機で言うと、社内起業チャレンジ制度というのが平成12年から始まりまして、第2回目に私のアイデアが最終審査までいったんですよ。

 

一介の担当者が副社長の前でプレゼンするなんて当時社内的にはあり得ないことだったんです。

 

そのチャンスを頂いた時に、起業っていうものが自分の人生においてやりたいことだということに気付いたんです。

 

当時四十歳だったんですが、もともと定年まで会社に居続けるという考えはなかったので、五十歳になった時点で起業しようとは思っていました。

 

予定通り五十歳の時に退職の申請をして、51歳で退職。そして会社を立ち上げました。

 

組織を離れて自分自身の力を試してみたいというのがきっかけであり、モチベーションでした。

 

退職する少し前に、今もパートナー関係にある方から声がかかって一緒に事業を始めることになりました。

 

――社内起業チャレンジ制度で提出された企画は、現在の事業に紐付くものだったんですか?

 

そうですね。

社会の活性化などに以前から興味がありまして、介護ではなくアクティブシニア層を対象とした新しいサービス展開をテーマにしていました。

 

そういった意味で、現在取り組んでいる健康であり「未病」というものに近しいアイデアではありましたね。

 

それなりの未来はいらない

 

――起業を決めた時から退職するまでの10年間で心変りはしなかったんですか?

 

それは一切なかったですね。

 

会社に勤めていても、正直言って五十歳より先の人生が見えてしまうんですよ。

その未来は自分にとっては絶対に避けたいものだったんです。

 

だから漠然としていた部分もあったんですけど、気持ちが揺らぐことはなかったです。

 

幸いスタート前にオファーが複数ありまして、それが自分のポリシーに近いものだったので、まずそれに取り組もうと思ったんですよ。

 

タイミングと周囲の人に恵まれましたね。

 

――起業してから3年経ちましたが、大変だった時期はありますか?

 

性格的に苦しみにくいタイプなんですけど(笑)それなりに大変でしたね。

 

企業に属していた時は、その名前で仕事が出来ていましたけど、独立するとやはり雑な扱いをされることもありました。

 

それをエネルギーに変えていっていましたけど。体力的にしんどいのは当り前の事ですし、24時間365日仕事をするつもりでやってますんで、そういった意味での苦労はなかったですね。

 

受難

 

――では今までの人生を振り返って辛かった時期などはありますか?

 

26歳の時に、もともとリウマチを患っていた母親が怪我をして入院していたんですけど、退院して2ヶ月後くらいに父が急死したんですよ。

 

若い時は親が死ぬっていうことが想像出来なくて。当時姫路にいたんですが、その頃は転勤ばかりで豊岡の実家にいることはほとんどなかったんですよ。

 

入社5年で10回引っ越しをしたくらいで。それでも西口家の危機だということで、退職覚悟で自宅から通える事業所に転勤願いを出しました。

 

なんとか会社の理解を得られて、運よく転勤できたんです。ところがちょっと落ち着いたと思ったら母がまた入退院を繰り返す日々が始まって・・・。

 

身近な人が病気なんかで辛い思いをするが2年くらい続いたその時期が一番辛かったですね。

 

――そういった境遇にどのように向き合っていきましたか。

 

私自身が超前向きというのもあるんですけど(笑)田舎ということもあってご近所の皆さんに助けて頂けましたし、これは自分だけに起こった特別な体験ではない、もっと苦労されている方はたくさんいますからね。

 

勤めている間は経済的には問題ないし、今はこういう時期だと割り切っていましたね。

 

――超前向きということは、過去を振り返ることはあまりないんですか?

 

振り返らないといけないと思う時はありますけどね(笑)やはりそれが原因の失敗もありますよ。

 

自分だけが先に進んでいって周りがついて来ていないとか。どうしても思いが先行してしまうんですよね。

 

幸い決定的な失敗にはなってないですけど(笑)

 

信頼はコツコツと

 

 

――西口さんの信念とは何ですか?

 

やはり他者との関係がすごく大事で「信頼」「信用」が一番じゃないかと思います。

 

逆にそれが無いと成り立たないので、そこはいつも気を付けています。

 

――例えばどういった部分に気を配っていますか。

 

やはり日々の行動ですよね。

例えば電話一本、メール一通、そういう普段の何気ないやり取りの積み重ねだと思います。

 

なにか特別なことがあって、すぐに印象が良くなることもあるかもしれませんけれど、基本的には何回も顔を合わすことや、会話をすることでお互いに感じたものを蓄積していく。

 

時間はかかりますけど、きちんとしなくてはならない部分だと思います。

 

Health Quality Control

 

――今後の事業展開をお聞かせ下さい。

 

一つは健康の分野ですが、未病というのは今まで事業として確立されていなかった分野なので認知が少ないんですが、今後医療費の削減などによって医者に係らずに自ら健康になるためのツール、その為の手法が大事になってくると思うんです。

 

一年程前から、未病チェックHQC(Health Quality Control)の開発にも携わっていますが、NECシステムズと日本ソフトウェアとの共同開発でロボットに搭載する事業が決定しまして、来春くらいには売り出す展開になりつつあります。

 

いわゆる未病ロボットは、コンビニやドラッグストアなんかで「○○さん、元気ですかー」という風に声をかけてくるんです。

 

そしてロボットの質問に答えると、未病度、足りない栄養素などの情報が瞬時にスマホに送信されます。

 

――すごいですね。そのサービスの価格はいくらで利用できるんですか?

 

ロボットのリース料は設置する企業が負担するので基本的には無料で使えます。

 

もっと詳しく聞きたいという方だけ有料で使ってもらうといった仕組みです。

 

これが普及していくと利用者は何万、何十万人になって、より膨大なデータが集まる。

 

その情報を反映して、より正確な診断が出来るようになり、結果として医療費の削減にも繋がっていくようになればと考えています。

 

さらにロボットだけではなく、アドバイザーを養成して利用する方のケアをしていけたらと思っています。

 

ヒナボールって何???

 

もうひとつの環境分野に関してですが、非常に画期的な燃料電池を作っている研究所があるんです。

 

それに加えて触媒(化学反応の速度を変化させる物質)技術を得意としていまして、水質改善のためのセラミックボール、通称【ヒナボール】を作っているんです。

 

用途としては、植物工場の水の汚れの殺菌、東南アジアの水道はあるけど水が飲めない地域のボトルウォーターメーカーの浄水プラントでの使用や、ベトナムで浄水プラントの手前の水道タンクの水質改善に使えないかという話が出ていまして。

 

財閥系の水質メーカーにも興味を持って頂いて、その会社の持っている商品と同等の機能だという検査結果も出ましたので、徐々に実績を作って海外展開を含めて販路を拡大できると思います。

 

――将来的に海外展開を狙うにあたっての課題はありますか?

 

第一に物価が違うので、相手に見合ったコストにできるかといった問題と、実績作りですね。

 

もちろんメイドインジャパンというだけである程度の信用力はありますけど、名もないベンチャーで実績もないとなると相手も二の足を踏みますよね。

 

だから今、国内で興味をもってくれているメーカーと契約をして、実績を作って海外に展開していく方向で進めています。

 

――それは民間だけではなく行政とも連携していくんでしょうか?

 

そうですね、もちろん我々だけでは出来ないので、例えばフィリピンと繋がりがある商社もありますし、ベトナムであれば駐在員を通じて係わっていければと思います。

 

ただ我々の立ち位置としては部材提供をメインに考えているので、現地での交渉などのやり取りは別の所に任せていければと考えています。

 

――最後に、起業を考えている方にアドバイスをお願いします。

 

不安もあるとは思いますが、起業家ってそれぞれ自分のコミュニティを持っているので、意外と誰かが声をかけてくれたり力を貸してくれたりするんですよ。

 

結果として会いたい人に会えたり、求めていた商品に出会えることもあります。

 

もちろん実際にやらなければいけないのは自分ですけど、だからこそ価値があることだと思いますんで、起業を考えている方には「ぜひやりましょう」と言いたいですね。

 

こっちにおいでよと(笑)一歩踏み出すというか、はみ出してみましょう(笑)

 

 

 

 

編集後記

 

キャリアを捨てて50歳で起業というのはなかなか勇気がいると思うんですよね。

でもそこは超前向きを自負する西口さん。はみ出し精神ハンパじゃないっ!!

しかし、健康っていうのはなかなかしっかりと管理は出来ないものですよね・・・。

手軽に健康状態が把握できる未来。

長年不摂生な生活を続けてきた(今は比較的マシ)僕のような「不健康予備軍」にとっては救世主となり得ます。

今後のご活躍に期待しています!

 

 

 

取材・文 / 森田 総明

写真 / 細川 俊介


西口 泰

株式会社 大阪わいずプランニング
代表取締役

昭和56年・関西電力株式会社入社後、社内起業家制度に応募したことをきっかけに起業を志す。
50歳で関西電力株式会社を退職後、51歳で起業。
現在健康分野では「未病チェックHQC」の開発にも携わり、代理店を展開。
環境分野では「グランデ1314」を活用した事業やエコビジネスの企画等を行っている。
また、一般社団法人日本姿勢と歩き方協会理事、一般社団法人Hinatomo副代表理事、ベンチャーコミュニティ代表代行兼事務局長を兼任。

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